【俳句同好会】秋の吟行 奈良 大宇陀へ


~秋の吟行~     
眞名子 一

 俳句同好会「放の会」の今秋の吟行を11月21日に実施した。
吉田成子先生の紹介で、奈良大宇陀松山の大願寺で薬草料理を賞味しつつ句会をという趣向。世話役が事前に特急券を用意してくれ、参加者七名は近鉄特急の車内集合。


 榛原で下車して先生と合流し、タクシーに分乗して一路大願寺へ。この日は雲ひとつない青空に気温も高く穏やかな山里の風景が広がっていた。


 大宇陀松山は万葉時代からの薬草の里で、日本書紀にも推古天皇が薬猟を行った記述があるという。大願寺も宇陀松山藩主織田家の祈願所という古刹である。

 小さな寺だが庭には紅葉に交ってハンカチの木があり、葉をおとした枝には丸くて黒い実が鈴生りだった。

 薬草料理は前菜からオードブルまで20種以上を数え、吉野本葛を使った胡麻豆腐や葛の刺身、蕺草、雪の下の天麩羅、黒豆のご飯、蕺草のシャーベット、十種の薬草茶など盛り沢山。けれど先生の句

ちまちまと薬草料理寺小春  成子

がこの場の雰囲気を捉えて妙だった。


 肝心の句作は、時間の都合上、一人三句となり、参加者の特選句は山際みこさんが独占した。

山門を下った先にバス停と道の駅・宇陀路があり、バスを待つ1時間、奈良の名産品を眺めながら、こんなゆったりした時間を持ち続けたいものと思った。

 

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