「コールまかーな」30周年記念コンサートを終えて
コロナ禍の3年間、発声練習ひとつ叶わなかった「コールまかーな」の合唱活動。部員各自のやるせなさは尋常ではありませんでした。コーラスを歌いたいその一心は閉ざされたまま、5月24日、豊中市立文化芸術センターで、30周年記念コンサートはその日を迎えました。何もかもが準備不十分のままの本番でした。出し物のメインである四季のメドレー(春、夏、秋、冬)は残念ながら、春と夏だけの「二季のメドレー」となってしまいました。秋と冬は練習不足の為、割愛せざるを得ませんでした。
創立当時、「全国シルバー合唱団コンクール」において金賞に輝いた「コールまかーな」の必須レパートリーである、神を讃える「新しき歌もて」は我々の重要な愛唱曲であり、ステージ上のメンバーもその打ち込める力の全てを出し切って頑張りはしたものの、力不足は否めませんでした。合唱団の平均年齢も80歳を超え、90歳台のメンバーが4人もいるという超高齢合唱団としては致し方ない事実ではありました。
コロナ禍の活動停止時期に加えて、2022年2月にロシアによるウクライナ侵攻が勃発、ウクライナから戦火をのがれ、ひとり日本の友人をたより昨年京都にたどり着いたウクライナの女性がいました。そのひとの名はアナスタシア・ホロシュコ。縁あってその女性をまかーなに招き、昨年の関西民放クラブ懇親会の会場で共にウクライナ国歌を歌うこととなり、合唱団として久々の盛り上がりを見せました。そして、今回の記念コンサートでも「ウクライナ国歌をまかーながうたう」のレパートリーが重要なファクターとして構成されることとなりました。コールまかーなは、現役時代ジャーナリズムの一端を担った人間の集団であることから、全員一致の賛成を得てこのステージが実現した意義は大きく、彼女の生の姿をステージに見せ、彼女が覚えたての日本語でウクライナへの支援を呼びかけた時、会場いっぱいの拍手が巻き起こり、3年間空虚な思いで通り過ぎる日時を過ごしてきたまかーな全員にとっても、世界の動きは常に我々と無縁ではない現実を味わうひと幕でした。この感覚は、歌を歌えないカゴのトリ状態のくちびる淋しい日々を過ごしたわれわれにも、やるせなく空虚な年月を埋めて余りある達成感をもたらし、記念コンサートを無事終えた安堵の思いは絶ちがたいものがあります。
日本民放クラブに加え関西民放クラブも経済的困窮のさなかにありながら「記念コンサート」に大きな財政的援助を頂いたこと、スタッフとして協力いただいた方々、そしてなによりも満席202名で大きな拍手をくださったみなさまに感謝する次第です。
願わくば、この未曾有の経験を振り返り「コールまかーな」が改めて30周年目以降の活動に新機軸を生み出す切っ掛けになればこれに勝る学びの場はないと考えます。35周年に向けて今よりも若い世代がまかーな活動をリードする日を夢見るとともに「コールまかーな」がさらに強いつながりを持ってクラブの発展に寄与出来る日を誇りにしたいと考えます。
大河内俊彦(MBS)