総会後の桶村久美子さん講演会 ~色彩のミラクル

*桶村久美子さんの略歴

朝日放送のアナウンサーを経てフリーとして独立。ラジオやテレビ番組でパーソナリティを務め、その後米国カラーミーアシーズン社の認定カラーアナリスト資格を取得。化粧品や老人ホームの色彩提案などを手掛ける。文部省認定・旧称1級色彩コーディネータ、日本色彩学会正会員・日本ペンクラブ企画事業委員、著書「似合う色がわかる本」中経出版「似合う色がわかる本・バージョン2」中経出版、「きれいになる色の魔法」中経出版

*講演「色彩のミラクル~色は心や体に大きく影響している!」

1666年イギリスの物理学者ニュートンはプリズムを使って太陽の光が七色に分光していることを発見しました。波長の一番長い赤の780㎚から波長の短い紫380㎚までの七色を人は可視光線として見ています。虹の色はテレビの電波やX線・ガンマ線と同じ仲間で、太陽の放射エネルギーであり電磁波なのです。私たちの心や体に大きく影響していることが分かりました。

またスイスの色彩学者・ヨハネス・イッテンが1920年頃に行った実験があります。赤の部屋と青の部屋では、体感温度が3~4度も違うこと、また時間の流れかたが暖色(赤・オレンジ・黄)の中にいると血圧が上がり、40分しか経っていないのに1時間経ったと感じます。心理的には時間を長く感じます。寒色(青・青緑)の中にいると逆に血圧が下がり、1時間たっていても40分に感じ、心理的に実際の時間を短く感じさせます。この実験の驚くことは目隠しをしても同じ結果となることです。色は電磁波の一種で皮膚でも色を感じているのです。

以前、日本色彩学会・関西支部で勉強会があり、大学の脳科学の先生が講演されました。お猿の脳に電極を多くつけて、カラーカードの色を見せると脳の視覚野がどう反応するかという実験です。まず暗い赤を見せると反応がなく、徐々に赤の色を明るい鮮やかな色に変えていくとお猿の視覚野が反応してくる、そして最高に彩度(鮮やかさの度合い)の高い赤いボードを見せると視覚野が大きく反応したそうです。

五感とは、視覚・聴覚・触覚・嗅覚・味覚の5つですが、どう働いているかというと視覚が87%・聴覚が7%・触覚が3%・嗅覚が2%・味覚は1%となります。視覚は脳の後ろ側にある視覚野で反応していますが、脳の中枢を活性化させてくれるそうです。

私は今もカラーアナリストとして、多くの方の似合う色をチェックしています。1978年メイクアップアーティストとして活躍していたバニース・ケントナー女史は著書「レインボウ・イン・ユアー・アイズ」を発表して、「米国カラーミーアシーズン」の代表となられました。私は日本総代理店の日本カラーミーアシーズンで勉強して、米国カラーミーアシーズンからカラーアナリストの認定をいただきました。

似合う色を顔の周りにおくとお肌が元気で前向きに仕事をしているように見えますが、似合わない色を着ていると、自分が元気なのに疲れて見えて、やる気が無いように思われてしまいます。これまで多くの方の似合う色を診断してきましたが「自己診断する方法はないのですか?」とよく聞かれました。そこでアプリの開発のため化粧料判定シートを考案してITとデザインの担当のお二人と1年半をかけて完成させ、2023年6月からアンドロイド版とアイフォン版共に公開しています。このアプリはソフトを守るために特許申請をしていました。3年以上かかりましたが2件の特許を取得しています。ソフトを守るために有料500円でダウンロードしていただけます。またアプリの公開でやむなくSNSをすることになりました。

2024年4月からブログ「色彩のミラクル」をテーマに投稿して、フェイスブックと連携させ、7月からインスタグラムも始めて別のフェイスブックと連携させました。続けて12月からは若い年齢層が利用する「NOTE」も始めています。

これからもカラーアナリストとフリーアナウンサーとして活動を続けていきますが、関西民放クラブの皆さま、よろしくお願いいたします。

TOP