クラシック同好会 2月 活動報告

クラシック同好会2月例会、ザ・シンフォニーホールで関西フィルハーモニー管弦楽団の定期演奏会を聴きました。指揮は高関健、個人的な話で恐縮ですが、私が日本センチュリー交響楽団に出向して1年間お付き合いしたマエストロです。演奏会のチラシには「さあ、存分に体感するがいい、二人の偉大なるセルゲイを」とあります。第一部ピアノ協奏曲のラフマニノフも後半のプロコフィエフもファーストネームが「セルゲイ」なのです。中々粋なコピーですね。

ピアノ協奏曲第2番を弾いたのは奥井紫麻。歯切れのいい細やかなところに手が届くような演奏です。終わるや否や隣の席の女性会員は「凄い、凄い。第二楽章はとても美しいし、他の演奏家で聴いた気がします」と興奮冷めやらぬ感想。奥井は2004年5月生まれと言いますからまだ20才直前、「え~??19才?」プログラムを見て驚きました。8才でオーケストラと共演、12才でモスクワの有名な楽団と共演するなどキャリアを積み、今はヨーロッパの音楽院で学ぶという才能溢れる国際的演奏家。クラシック同好会でまたまた素晴らしい演奏家に出会いました。なお感動的な二楽章は「映画やポピュラーミュージックに使われるほどのロマンチックなメロディーが主役」とプログラムノートにあります。

交響曲第5番の解説によりますと、プロコフィエフはロシア革命を挟んでアメリカでの生活、帰国後の社会主義体制下での生活など政治に翻弄されながらの音楽活動だったようです。高関さんがこの演奏会の曲目を決めたのは1年以上前の事と推察します。ロシアが国際法に違反するウクライナ侵略を始めて2年、選曲は全くの偶然ではなかったのでは?と推測します。この交響曲第5番以降がソ連に帰国後の作品という事で「晴朗で情緒に満ち大衆に理解されやすい社会主義リアリズムにかなったもの」と解説にあります。

オーケストラは大人数のフル編成、ピアノ、ハープ、打楽器もティンパニに始まって大太鼓、シンバル、ドラ、ウッドブロック、タンバリン、トライアングル、クラベスと大賑わい。大盛り上がりのエンディングにお客さんも「ブラヴォー!!」で応えます。当時のソ連も、こんな風だったのでしょうか?次回お目にかかったら高関さんに選曲の意図を是非伺ってみたいと(勝手に)思ったコンサートでした。3月、日本センチュリー豊中シリーズで今年度のスケジュールは終了ですが、4月から各オーケストラの新年度プログラムが始まります。

関西民放クラブ会員の皆さま、優れた音響の快適な空間で至福のひと時を楽しみましょう。ご参加をお待ちしています。

関西テレビ 出野徹之

 

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