クラシック同好会 10月 活動報告
堂島地下街から地上に出ると突然の雨。木枯らしかな?という突風も吹いていましたが、赤い絨毯を踏んでフェスティバルホールに入ると別世界。
大阪フィルハーモニー交響楽団の第572回定期演奏会を聴きました。
大阪で一番の老舗、大フィルは会員も多く、定期演奏会を金曜・土曜の二日間開催しています。昼間の鑑賞をレギュラーとしている、私たちの会は毎度、土曜日にお世話になっています。
今回は2曲構成。前半は1700年代に活動したモーツァルトのヴァイオリン協奏曲、後半はイギリスの作曲家、ウォルトンの交響曲第1番、1900年代の人ですから、大きく違う時代の音楽を楽しみました。
ヴァイオリン協奏曲を弾いたのは岡本誠司。バッハ国際コンクールでアジア人として初めて優勝、あの反田恭平が設立した若者オケのコンサートマスターを務めていると言えば実力は折り紙付き。小編成のオーケストラとともに、実に丁寧に優美に宮廷音楽の世界を展開してくれます。古典派の香りが客席を覆いつくすような時間を味わいました。もう少し小さいホールで聞きたかったな、というのが個人的な感想です。
プログラムノートによれば、ウォルトンの交響曲は「ひとつの恋の終わりと別の恋の始まり」と作曲家は言っているそうですが、そんな”ナヨナヨ”したものでなく、もう一つ言っている「嫉妬と憎悪の感情」がピッタリという曲でした。
第3楽章を除いては、「楽団員全員、休みはないよ!みんなしっかり弾いて!」という声が聞こえそうなくらい激しく、強烈に大音響で音楽が奏でられます。正に大阪フィルの真骨頂です。壮烈なドラマが展開され、最後まで待機していたもう一人のティンパニー、ドラ、シンバルが鳴り響く終演とともに「ブラヴォー」が飛び交いましたが、私はむしろ良き時代のイギリスが思い起こされて、
「よっ!! 大英帝国!!」と声をかけたい一曲でした。
世話人 出野徹之