クラシック同好会活動報告 6月

 

クラシック同好会活動報告

 去る10日、ザ・シンフォニーホールで日本センチュリー響の定期公演を聴きました。パシフィックフィルハーモニア東京との共演です。話題のピアニスト、角野隼人が弾くというので早々とチケットは完売、世話人も3月始めに参加人数を取りまとめ、当日は14人が参加しました。

 ホールは何時もと違う熱気に包まれていました。長年、定期会員を続けにいますが初めての感覚です。第一に30才台から50才台の女性の姿が多い事、第二に「音楽を聴こう」という表情が見える(笑)事など、期待の溢れた開演前でした。

 飯森範親指揮、一曲目はアメリカの作曲家アダムズの「悪魔はすべての名曲を手にしなければならないのか?」。ロスアンジェルス・フィルハーモニー管弦楽団の委嘱作品で2019年に、ベネズエラ“エル・システマ”の申し子、グスターヴォ・ドゥダメル指揮、中国人ピアニスト、ユジャ・ワンのピアノで初演されているという、正に“今の時代の”曲。プログラムには、3つの区切りがあるというのですが、飯森、角野は一気呵成に演奏、客席も“悪魔に魅入られたように”一気に聞きました。しかもこの弾きっぱなし約40分(?)、超絶技巧の曲を角野は“暗譜”で演奏、音楽家の頭の中を覗いてみたい。

 二曲目はR・シュトラウスの「アルプス交響曲」、こちらも一楽章仕立て、今度は飯森マエストロの全暗譜です。久しぶりに、ウインドマシーンだのサンダーシートだの見慣れない楽しい楽器が登場、ホルンの音色がアルプスを描き出して雄大な一曲でした。

*サンダーシート:薄い金属板を吊るして揺らしたり、叩いたりして“演奏”する。ただのアルミ板みたいですがチャンとした楽器だそうです。(センチュリーのライブラリアンより)

以下は、参加同好会員の感想です。

◎(角野を聴いて)とにかくずっと凄かった! 時折外れるような音とリズムなのにどんどん紡ぎだされて築かれていく超絶技巧にただただ驚くばかり。そしてお洒落なアンコール。
(アルプスを聴いて)ステージ幅の大きな滝、音と息吹きの内側に入ったような、、、壮大な演奏を浴びるように聞かせてもらって幸せでした。
色んな音で溢れるように満たされた身体を、中之島駅まで歩いて現実に戻すように帰ってきました。 (I.I.会員)

◎アダムズ、アルプス交響曲とも圧巻の演奏、そして角野さんのアンコール曲、カプースチンはその美しいピアノの音色に感動致しました。彼のレパートリーの広さには驚くばかりです。  (K.H.会員)

◎座席からは、角野さんの表情がよくわかり、アダムズでは悪魔感に引き込まれそうになり、カプースチンでは柔和な表情と美しい音色に心が豊かになりました。     (K.H.会員夫人)

◎普段着に近い感じの衣装で登場した角野さんは新人類的な印象を受けました。初めて聴く曲でしたが、超絶技巧を伴った素晴らしい演奏に圧倒されました。ピアノとオーケストラが織りなすハーモニーに感動しました。角野さんは新時代のピアニストとして注目されており、その理由がよくわかりました。
「アルプス交響曲」は私が初めて聴く大規模編成のセンチュリーでしたが、普段CDで聴いているのとは別の曲かなと思える位の大迫力を堪能しました。  (M.K.会員)

◎ピアニストの手元がよく見えて楽しかったです。シンフォニーホールの超満員は久しぶりでした。充実の2時間でした。    (K.E.会員)

◎角野さんは「かてぃん」の名でユーチューブでも人気で、クラシックだけでなくアニメやジャズなど幅広いジャンルで活躍しているスマートでカッコイイ若手です。J.アダムスズの「悪魔はすべての名曲を手にしなければならないのか?」というケッタイナ題のついた2018年に誕生したほやほやの現代音楽。インパクトのあるメロディの連続で不協和音が耳障りなのにそれがいつか不思議なハーモニーを生み、弦楽器、打楽器、角野さんの指先が踊るように飛ぶように鍵盤の上を跳ね回り、圧巻の演奏でした。
あんな音楽嫌いだという声も聴きましたが、私はウキウキと楽しみました。アンコールはカプースチン作曲の「8つの演奏会用のエチュードOp7より間奏曲」という曲でやっと角野さんのピアノ独奏が聞けました。
(アルプスを聴いて)以前訪れたマッターホルンやモンブランを思いだしながら聞いていましたが、F.M.会員の「今のウクライナとロシアの戦争を思い浮かべた」との感想を聞き、納得でした。    特別参加 K.T.さん

出野徹之(KTV)

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