「人類みな兄弟—への第一歩?」
3年前に新型コロナパンデミックが全世界を襲い、極東の島国でも自粛の嵐が吹き荒れて人々は引きこもりがちになりました。ソーシャル・ダンスを楽しんでいた私もソーシャル・ディスタンスにがっくり。大阪府下の酒場が休業すると呑兵衛は酒を断てず密かに越境して大津や奈良の居酒屋にしけ込んだものでした。マスクは売れても口紅と髭剃りが売れ残ったそうです。
さて、そんなコロナ暗黒時代に新たなトライをした人も多かったのでは。実は私もこの際余った時間を使って語学の勉強でもしてやろうと一念発起。英会話と共にお隣韓国のハングル語にチャレンジしました。
以前からあの何やら奇妙な記号が気になっており、女子供でも簡単に覚えられるなら自分もと調べて見ると、彼の国には独自の文字がなく、上流階級のみが漢字を使っていたとか。事情は日本も同じでしょうか。それを李氏朝鮮の何とか云う天子様が「これではあかん。来年の正月からみなこの言葉を話して書け」と大号令をかけて生まれたのだそうです。ユネスコによればハングル語は古今東西、唯一「作った人と時期と理由が特定されている」ことばだとか。スゴイね、コリアン。
さて、巷に溢れている韓国語の本を数冊買い込み毎日30分づつ読んでいると、あーら不思議、3年経つと何とか読めるようになりました。14の子音×10の母音でなる「表音文字」なので日本語よりずっと簡単です。これでコリアンと文通できるぞ。
図に乗った私は、今年会社をリタイアしたのを機会に従来の「英語」と「韓国語」に加えて「スペイン語」と「中国語」と「手話」にも手を出します。毎日それぞれ30分のリーディング。これを午前中に終えるのが日課となりました。
密かに海外への移住を企てているのではと訝る妻に、「いやいや、外国語を覚えて人類みな兄弟に貢献するのさ」と説明。続いて、「英語を話す人は世界で17億人、中国語が15億人、スペイン語が6億人、朝鮮語は南北合わせて8千万人。合計が38億8千万人だぜ。世界の総人口80億人のおよそ半分になる」と胸を張れば、妻「あと少し足らじゃん」、すると私がとどめに「残りの1億2千万人は日本語を話すのさ」。
勿論私は外遊してガイジンさんと交流したい訳ではありません。片言のコトバで日本に来た外国人訪問客に道や駅や美味しい和食を教えるのが究極の目的です。残りアラビア語とヒンドゥー語を覚えるとあと2割増しますが、当面アラビア人とインド人に会う可能性は少ないので我慢しておきます。果たして私のコロナ過のささやかな努力は世界平和に貢献するでしょうか?
鈴木 優(KTV)