空襲と極寒に負けないウクライナ
ロシアは戦闘を空爆に振り向け、戦死者を避けて、イラン製のドローン(無人飛行機)を1日100発飛ばしたが、大方、ウクライナ側に撃ち落された。NATOが提供する武器にロシア側は劣る。当初のキーウ空爆は失敗し、今ではウクライナ全体のインフラを空から全滅させたい。それでも電気は供給されている。特には首都のキーウは首都機能を保つため、停電はあるが、1日中、配電がないわけではない。
かってロシアとウクライナとベラルーシは同じ配電網で共存し、ウクライナからベラルーシに送電線が張り巡らされていた。ロシアとの関係が段々悪くなって、オレンジ革命やロシア派の前大統領ヤヌコヴィッチを追放した選挙で、ロシアはきっと報復して来ると予測したウクライナは、欧州電力にいざという時に配電するように取り決めていた。ロシアの侵攻の2週間前にその送電網が完了した。それで今、細々ながらウクライナには配電可能なのです。
電気だけでなくガス,暖を取るには燃料が要る。石炭とガスは自給自足できる。零下10度になる日もあるウクライナには、暖房が切れての凍死が怖い。寒くて眠れない日々を海外からの援助物資で生きている。日本には日本人が考案した使い捨てカイロがある。これと、保熱効果の高いヒートテックの下着と軍服と、小型発電機をウクライナに送っている。
先般、ルガンスク州のロシア軍占領の建物に、ウクライナ軍がアメリカから提供されたハイマース・ミサイルが着弾して、ロシア側発表で63人が死んだ。弾薬庫の傍で寝起きしていたそうで、司令官の無知をさらけ出した。ハイマースは1発で3階建て建物1棟を粉々に砕く。ウクライナ側発表は死傷者400人です。ゼレンスキーは早く休戦に持ち込みたい。長引けばウクライナの施設や建物は失われ続ける。そこでアンケートが実施されたが、領土を奪われたままで休戦するな、が85%の高い数字の反対だった。士気は高い。ロシアへの恨みは大きい。
ウクライナは調停で、奪われた領土の奪還が無理だ、あきらめろ、と言われたくない。ロシアとは長い国境があり、ロシア人はウクライナに住みたくて、ロシア語圏を作って住めば、この先、何時何時までも紛争は続くことになるでしょうから、そんな調停は当然拒否する。ウクライナが負けないことで、自国は荒廃して、戦争が長引く。プーチンが引かないからではない。ウクライナが引けないからです。アメリカもウクライナでは負けられない。では、負けるのはどちら?
中世でならコサック兵の騎馬集団は恐れられていたものだったが、、、。因みにコサックとは「コーカサス地方の=ウクライナの」意味であり、白人をcaucasian コーカシアンと言いますが、カフカス山脈の周囲に住む人の意味で、ウクライナは白人の国なのであります。ウクライナの冬はロシア同様に厳しい。当初は防空に専念できた首都キーウも、今ではロシアの戦闘目標が電気・ガス・水道の破壊という、人類が生きるのに必要なインフラの全滅を目指している。50%の電線破壊と変圧所、電力工場の機動力が失われた。暖房が切れて、日本発明の使い捨てカイロや、発電機、防寒軍服、ヒートテックの防寒着などが現地に送られている。身一つで逃げた避難民にも普通の防寒衣料が続々送られてくる。
電気がなくても頑張れるウクライナは、過去にロシアと電力会社を共有していて、ベラルーシにも送電していたが、オレンジ革命や前大統領ヤヌコヴィッチをロシアに追いだしたマンダイン革命の時に、ロシアは嫌がらせをするだろうと覚悟して、ベラルーシへの送電を取りやめており、いざという時に備えて、欧州電力に多くを切り替えるように準備していた。これが良かった。全面停電のブラックアウトは避けられて、国家機能が必要なキーウに送電できるようになっていた。ロシアの侵攻2週間前の必死の工事完了だったのです。ゼレンスキーは「プーチンは逆効果で攻めて、ウクライア人全滅を意図したが、ウクライナには万全とは行かずとも、電力網は欧州電力のお蔭でシステムは稼働中である。兵士の凍死を狙った電気の切断にはロシアは未だ成功していない。
ロシアはナポレオンと第2次大戦のナチスドイツの侵攻を受けた時に、ロシア人の家を焼き、侵入兵の凍死や飢えを誘った戦略が今も使われているのです。士気の高いウクライナにはその戦略は通じなかったということか?逆に攻め入ったロシアには物資は届かず、重量級の戦車や装甲車両は失われてしまった。最早ウクライナに長く占領状態を維持することが出来ない。両軍の我慢比べには、ウクライナ軍は優勢となった。士気の差が違う。プーチンは2~3か月でウクライナを降参させるつもりだった。その身に迫るは、ヒトラーへの道か。
伊藤妙子(KTV)