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徒然なるままに 「ウクライナ・音楽哀し」
関西民放クラブ総会・懇親会では戦火を逃れて日本にやってきた女性が、コールまかーなとともに、ウクライナ国歌を歌いました。「祖国のために、身も心も捧げよう。今こそコサック民族の血を示す時ぞ!」、感動的でした。
ロシア・プーチン大統領の侵略戦争が始まった頃、ポーランドに避難したウクライナ女性のインタビューは今でも忘れられません。「21世紀の今日、こんな事が起きるなんて、、、、、」呆然とした表情でつぶやきました。日本にやって来た女性も恐らく同じ思いだったでしょう。その後、戦争が長引くにつれて、ロシア人とウクライナ人の間には多くの姻戚関係のあることが判ってきて、我々日本人には更に、侵略戦争が不可解なものに見えてきました。
音楽の世界からも、様々な姻戚関係が見えてきます。ロシアの作曲家、ムソルグスキーの有名なピアノ組曲「展覧会の絵」の一場面、「キエフ(キーフ)の大門」は画家の友人の絵から着想したとの事ですし、同じくグリンカ作曲のオペラ「ルスランとリュドミラ」はキエフ大公国を時代設定とした、冒険・ラブロマンスの物語、序曲は単独でもよく演奏される人気の曲です。ロシア人作曲家はウクライナに何か特別の想いを込めていたに違いありません。大統領とは全く違う想いで。
意外な発見がありました。1937年のジャズナンバー「素敵なあなた」、アンドリュース・シスターズの大ヒットナンバーですが、作曲者はウクライナ系アメリカ人、ショロム・セクンダ。もっと驚くのは、フォークの女王、ジョーン・バエズのヒット曲「ドナドナ」も同じ、セクンダの作曲だそうです。
物悲しい曲でしたが、「みんなのうた」でも取り上げられたと記憶しています。
今のウクライナの哀しさが伝わってくるようなメロディアは「小さなぐみの木」、ロシア民謡とも「ウクライナ民謡」ともされています。ダークダックスの歌声で広く知られるようになりました。高校の合唱団でも歌った曲、思いを込めて久しぶりに口ずさんでみました。
♪ なぜか揺れる 細きぐみよ 頭うなだれ 思い込めて
♪ 広き河の 岸を隔て 高き樫の木 ひとり立てり
♪ ぐみの想い 樫に伝えん 我が身ふるわせ 語る時に
♪ 細き枝を 君に寄せて 日ごとささやく 若葉のこえ
♪ ぐみの心 届かざれど 永遠の願いは やがて結ばん
関西テレビ 出野徹之