メリー クリスマス

メリー クリスマス

 西洋ではキリストの生誕を祝う日ですから、1年中で一番のお祭り日に当たります。
日本では、昔はサラーリマン父さんが一杯ひっかけて帰るのに、子供たちにもお土産にクリスマスケーキを買って帰る日であり、今では核家族の小さな会食会の日ではないでしょうか?

 商売繁盛の都会では、クリスマスは大人が騒ぎ飲み食いする日でもありましょうが、本当のクリスチャンには教会で荘厳のミサがあり、聖歌隊が繰り出し、食事は家庭で家族一緒にお祝いする日であると思います。そうですから仏教徒の我が家では、何の飾りつけもなく、普通の毎日でした。ところが幼少時の私は近所の奥様に連れられて、日曜日に教会に行き、讃美歌を歌い、アメリカ帰りの牧師の夫人に、子供の英語会話を習っていました。

 クリスマスが近づくと、信者さんたちは飾り付けたツリーに灯を入れ、お菓子を焼いたり,プレセントの交換や恵みの寄付の相談を楽しそうにしていました。あの雰囲気のせいで、私は歌う教会と、しゃべる英語の教会で、こんにちのオペラや英会話の手始めを受けていたように思います。仏式のお経をあげて礼拝する帰依の心掛けとは、かけ離れた社会を小学校時代に経験していたわけなのです。

 一緒に子供をお連れ下さる近所の夫人はとても美人で、長男は私の1歳歳下でシンちゃん、心根の優しい美男子でした。私とは仲良しで、彼がいたから教会に出かけたのかもしれません。

 数年後、シンちゃんのお父様が何ゆえか自死され、一家は誰にも近所の人に行き先を告げずに行方不明になりました。更に数年、私が大学生の時に、縁者の人からシンちゃんは同志社大学の生徒だと知りました。あの時にもっと詳しく話を聞いておけばよかったのにと悔やみます。クリスマスの度に、友情をはぐくんだご一家はどうしていらっしゃるのかと思います。木村シンちゃんとお母さまのキリスト教の教会へ出かけることは楽しかった。

 あの頃のクリスマスには、東方から捧げものを持参する3人の博士が星の流れでキリストの誕生を知って、馬小屋の馬込の中に眠る赤ちゃんと聖母マリア様にお遭いしにやって来る、キリストの誕生を本当に信じていました。英語の[atheism=異教徒、無神論]は不信心を意味しません。神の存在を徹底否定する人のことですから、使い方に気を付けましょう。「僕はアテイストだ」なんて、神への冒涜者を意味しますので、西洋人は「あなたはテロリストか」とビックリします。私は神を冒涜したりしませんが、やや無神論者かも知れません。天の恵みや差配は信じています。

 皆さんにメリークリスマス!!!

伊藤妙子(KTV)

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