コロナの現況をどう抜け出すのか?
オリンピックはコロナ抑制には働くものではなく、却ってコロナ蔓延を招くものだったから、国論は分裂していたのです。それでも強行されたオリンピックであるから、コロナ増殖を止めることはできないのは自明の理であると思われます。
オリンピック関係者を見れば、海外からの選手らを含めてコロナ陽性者は100名を超えていますので、例え観客をゼロにしたからと言って、オリンピック自体もクラスターであることを否定できません。オリンピック村全体が、東京の全体の縮図であることに変わりはない。オリンピック村はコロナ対策を全うしているので、完全な安全地帯となっているわけではない。
オリンピック関係者やメデイアの人間らが翌日の予定などを話し合う時には、数を4人以下で食事して、酒抜きで8時に終了できる打ち合わせ会も無理でしょう。
大会関係者のコロナ対策の難しさは、察して余りあるものです。私はテレビ局に働き、泊まり込み体制で選手村にいた経験がありますので、その辺の事情はよくわかります。外国メデイアが日本のキツイと思われるコロナ対策に苦情を言いたくても、先進国の現況でもコロナの第3波か、第4波か、第5波かに見舞われているので、日本の抑制力が度を過ぎたものであるとは,言えないのでしょう。
こんな最中に、日本の6つの都市には毎週毎にコロナ陽性者がこれまでになく増え、人流の抑制の呼びかけも、最早、効力なく、20歳~30歳代の若者が陽性率55%となりました。夜間の繁華街の飲食店の酒だけの規制では、もう政府に手段は尽きてしまった様子です。つまり、若者は夜間、繁華街に繰り出し、動き回るのが当たり前、帰宅して、彼らが家族にコロナを感染させている家庭内感染の図式が明らかになりました。
この辺の事情の中でも、ワクチン接種が現在でも一番の抑制効果であることに変わりがありません。その若者らに行き渡るのは、悪質なワクチン接種を妨げるSNSのデマの伝搬です。アメリカと英国の全国民ワクチン接種率は70%を超えています。日本では1回目だけの接種率が40%(高齢者では2回目で70%)。
オリンピック突入までに政府がやるべきことは、全国民70%の米英並みのことを済ませるべきだったのです。
遂にワクチン不足が明白になりました。コロナ騒ぎの当初から日本政府に≪何が何でも先ずワクチン≫の考慮が爪の先ほどもありませんでした。その後にガムシャラにワクチン頼みを喧伝しましたが、いざとなればワクチンは不足で、どこでどうしてワクチンが入手できるのか、扉は閉ざされたままです。
政府は急激な陽性者の増加に、医療崩壊のふちに立っています。発病者にもし軽症であれば、自宅待機を首相が勧めています。肺炎の進行が急激であり、死亡に繋がる恐れのある病気であることを、首相は訴えるべきであるのに、事情をお知らせしません。これも政府の不作為の一つかと思います。政府が一番先にやる事は、がむしゃらにワクチン不足を解消させ、英米並みに全国民70%接種済みを実現させることしかありません。
酒販売禁止など姑息なことをしてもダメです。人流を減らす外出禁止ももう効き目はありません。そのような事態を招いたのは政府の不作為とトンチンカンな判断ミスの結果です。若者に外出するな、は効き目がありません。外出するならワクチン接種を済ませてから、、、、のキャンペーンに切り替えるべきです。
政策が信用されていません。そこを政府は理解していません。
伊藤妙子(KTV)