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この春の近況だよりに「70数年ぶりに毎日が日曜日」という内容の投稿をした。
4歳の頃、下の妹が生まれるという事で私は和歌山県にある母の実家に数か月預けられた。その2年前にも同じ経験をしているのだが、それは記憶にない。
実家ではおばあちゃんと一緒に寝ていた。おばあちゃんはいろんな話を耳枕に聞かせてくれた。「昔話」が多かった。朝になるとおばあちゃんはもう起きて働いていた。
ある朝、起きているはずのおばあちゃんがまだ横で寝ていた。「おばあちゃん、おばあちゃん」と体をゆすったが起きなかった。幼心にも異変を感じた。おばさん(母の妹)にそのむねを伝えた。最後の別れだった。
実家の隣に少し年上だったと思うが「さっちゃん」という女の子がいた。おままごとをしてよく遊んでくれた。紀の川の河原、菜の花畑、ミカンの花咲く丘。退屈はしなかった。
田植えが始まるころ父親が迎えに来てくれた。あれ以来「さっちゃん」とは会っていない。聞くところによると北九州に引っ越ししたとか。コロナは大丈夫か、元気でいるか。
「さっちゃん」、さぞかしいいおばあちゃんになっているだろうな。懐かしい思い出がよみがえる。
「毎日が日曜日」の中、ふと昔のことを思い出した。
車谷隆史(YTV)
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