クラシック同好会 11月例会報告

 

 今年最後の例会です。21日(水)、大阪交響楽団いずみホール定期演奏会を聴かせて頂きました。

 午後2時半の開演、いわゆる“マチネ”コンサートとあって女性団員はカラードレス、男性、指揮者は燕尾服ではなくタキシード、コンサートマスター森下幸路はお洒落な赤い蝶ネクタイと華やいだ雰囲気です。

 クラシック界のレジェンドだから、という訳ではありませんが、コンサートは、さすが外山雄三という、ずっしり印象に残るものでした。
 ベートーヴェンの第4番、第5番というぜいたくなプログラム、交響曲を2曲というのも珍しいですし、4番は演奏される機会の少ない曲ということで楽しみの多いコンサートとなりました。

 その4番、長い序奏をゆっくりと聴かせたあと指揮棒一閃、早いテンポで重厚な次の主題へ華やかに展開して行きます。マエストロ外山は、ステージへの出はいりこそ少しお年を感じさせる歩みですが、両足を構えて棒を振り下ろすと87才とは到底思えない、壮年の指揮ぶりで聴衆をベートーヴェンの世界へ誘います。
 マエストロは「ベートーヴェンの交響曲としては珍しいほどに明るい印象を与える曲」と言っていますが、そんな中にも“いかにも”と言った感じでベートーヴェンの格調が聴こえてくるような気がします。

 第5番は「運命」の名前で有名ですが、もともとつけられていた名前ではなく、欧米ではこの名前は知られていないとのこと、ウンチク好きの日本人が付けたのでしょうね。お馴染み“ダダダダーン”と始まる第1楽章に続いて、本当にロマンチックで美しい第2楽章、大阪交響楽団は伸びやかに、おおらかに歌い上げてくれます。
 外山氏は、「どこからどう見ても文句のつけようがない。このような音楽は、この作品のほかに存在しないのではないかと考える」と5番の事をプログラムノートに書いています。

 指揮者とオーケストラの、ピンと張りつめた良い緊張感が伝わってくるような2つの交響曲、会員それぞれの思いを胸に、いずみホールを後にしました。

                   (世話人:出野)

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