散策同好会は10月26日(木)、「丹波立杭の里で秋を楽しむ、兵庫陶芸美術館と丹波焼窯元めぐり」と題して第171回例会を行いました。参加者は23名。絶好の秋日和に恵まれ、緑豊かな里山で、伝統工芸の世界を楽しみました。
JR宝塚線の丹波路快速は定刻8分遅れで相野駅に到着。10時20分発のバスの発車予定を遅らせてもらって、なんとか乗り込み、すし詰め状態で兵庫陶芸美術館へ。途中、車窓からは4日前の台風で倒れた稲穂が重なる田が多くみられ、毎年10万人が訪れる「丹波焼陶器まつり」(10月21,22日)は、風雨で途中打ち切りとなったようです。
兵庫陶芸美術館では開催中の「今右衛門の色鍋島」を鑑賞しました。まず学芸員から、江戸期、佐賀鍋島藩窯で始まった色鍋島の歴史、現14代今泉今右衛門(人間国宝)に至る技巧の革新の歩みなどの説明を受けたあと、4つの展示室をめぐり、数多くの作品を鑑賞しました。「14代の技巧、デザインはとても精緻でモダン」「私は江戸期の食器が好き」など、感想を述べあいながら、約1時間、今右衛門の世界を楽しみました。
お昼は館内のレストラン「虚空蔵」でイタリアンのランチ。広いテラスの向こうに里山の風景が楽しめる明るい店内で、前菜、パスタ、デザート、コーヒーまでセットになったお得感一杯の食事でした。
午後1時過ぎに食事を終え、テラスに出て、素敵なデザインの美術館をバックに全員の記念写真をとったあと、隣接する丹波伝統工芸公園「陶の郷」へ。そこでガイドさん2人と合流し、窯元めぐり17人、「陶の郷」見学6人の2グループに分かれての行動となりました。800年余りの歴史を有する丹波立杭焼は江戸期に登り窯が導入され、大量生産が可能になりましたが、現存する最古の登り窯(明治28年構築、全長47m)では、急な坂道を登りながら、その大きさに驚き、また製造工程も興味深いものでした。
その後、窯元が集まる路地をめぐって、3か所の窯元を訪問、ろくろで見事に成型する女主人の技に驚いたり、買い物を楽しんだりして、午後4時すぎ相野駅発のJRで帰宅の途につきました。
(田仲 和彦)