放送人OB・OGが“今の放送”をウオッチング
2008年に発足した「メディアウオッチング」は、放送局を定年退職した後も“生涯放送人・メディア人”という意識を持って、現在の放送に目を向け、テレビ、ラジオについて真摯に語り合っている人たちの集まりです。
メディアを総合的にとらえ直そうと、これまで37回の研究会を重ねてきました。2015年10月には、関西発のテレビ、ラジオ番組に視点を置いた民間放送の歴史を振り返る証言集『民間放送のかがやいていたころ~ゼロからの歴史 51人の証言』(〈関西民放クラブ・メディアウオッチング編、672ページ)を出版しました。
放送人発信の「証言集」は新聞各紙、放送専門誌などに紹介され大きな反響を呼びました。
「名物番組の裏話や、新しい表現に挑んできた試行錯誤の過程がつづられ、現代のテレビへのエールが込められている」(朝日新聞夕刊、2015年11月13日付)
「民放の創生期を担った放送人の単なる回顧録ではない。ゼロからの出発から得た民放の自由で視聴者に寄り添う番組づくりなど、メディア環境が激変する今だからこそ読み取ってほしい内容である」(「放送レポート」258号、2016年1月1日)など。
また聞き取り対象者の一人で、「メディアウオッチング」の会員である元プロデューサーは「証言者の中では、私が一番若造だと思うが、ほかは、ほとんど80歳前後の人ばかりなので、このような本が出版できるのは、これが最後になるのではないか」と語っています。
ところで、出版のあとしばらく休んでいた研究会(例会)は今年(2016年)3月再開し、「メディアウオッチング」の今後の目標として以下の4点を掲げ、引き続き活動していくことを確認しました。
- 「テレビ・ラジオの今」をウオッチングし、放送現場にメッセージを送り続ける。例えば、放送人OB・OGが、感銘をうけた番組、面白い番組、気になる番組などリストアップして、関西民放クラブのホームページに掲載していく。
- 「メディアウオッチング」のメンバーは“行動するウオッチャー”を目指す。例えば、東日本大震災から5年経った被災地を訪ね、被災放送局の現状を取材し、交流を深める。
- スマホ、パソコンなど最先端技術を導入している「今の放送現場」(放送素材の受信、送信の現状など)の実情を探る。
- 見識のある放送・メディア研究者(現役放送人を含む)を招き、語り合う。
例会は年4回の開催を予定しており、手づくりの放送現場を経験した放送人OB・OGからの提言が出来るだけ多くの方々に届くよう 、「メディアウオッチング」のホームページを通して積極的に発信していきます。
ホームページをご覧の皆様からの活発なご意見を歓迎いたします。