今年も「落語を楽しむ会」の特別企画として、1月20日(水)、文楽を鑑賞しました。
「初春文楽公演」を見るのは、今回で3回目です。参加者35人。
今回は、大夫としては唯一の人間国宝である豊竹嶋大夫さんの引退披露狂言の舞台を拝見することとなりました。
嶋大夫さんは、昭和23年に三代豊竹呂大夫に入門、43年に八代豊竹嶋大夫を襲名、平成6年に切場語り(重要な場を語る大夫に与えられる最高の資格)になり、平成27年10月に重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定されました。引退公演の出し物は「関取千両幟」で、人形の吉田簑助さん、三味線の鶴澤寛治さんとの共演で、得意とする情感あふれる語りを熱演、83歳とは思えない張りのある声と、艶っぽさで、引退するに惜しい大夫ぶりを披露されました。
この日の出し物は、他に「新版歌祭文」と「釣女」。いずれも見応えのある演目に、新春早々から上方芸能の至芸を堪能した一日となりました。
また終演後は、杉野林一(ABC)さんのお世話で、珍しい舞台裏を見学させていただきました。案内していただいたのは、杉野さんの遠縁にあたる大夫の豊竹呂勢大夫さん。今見たばかりの舞台のセット、意外に人形の頭(かしら)の小ささに驚き、人形師が履く15センチほどもある高さの下駄など、丁寧な説明を聞きながら、感動を新たにしたのでした。
なお、次回の「落語を楽しむ会」は、2月10日、天満天神繁昌亭です。大いに初笑いしましょう。
(かみむら とみこ)