年明け11日、大阪交響楽団の名曲コンサート「珍しい楽器の協奏曲シリーズ」を聴きました。
今回は“バンドネオン”、アルゼンチンタンゴなどで“ンチャ・ンチャ・・”と小気味良いリズムを刻むあの楽器です。演奏はピアソラコンクールで日本人初・史上最年少で準優勝した三浦一馬、26才。
オーケストラが待ち受ける中、細見のスーツに身を包んだ“イカス(古いか?)”兄ちゃんが登場しました。日本の第一人者、小松亮太のもとで10才から修行したと言いますから腕前は折り紙つき。曲は、アルゼンチンの作曲家でバンドネオン奏者のピアソラが作曲した“バンドネオン協奏曲”。
第1楽章では情熱とロマンスが交錯、幻想的寂寞感が漂う第2楽章を挟んで、最終楽章では再び情熱が疾走し、時には男女の忍び合いを彷彿とさせる甘いシーンも登場(プログラム)というキラキラした変化に富んだ曲。独奏部分もタップリで普段あまり耳にしないバンドネオンの協奏曲にすっかり酔わせて頂きました。少編成のオーケストラの中で、リズム感をしっかり刻んで引きたてたギロの演奏は特筆ものでした。
後半はシュトラウス一家の登場。「ピチカート・ポルカ」「美しく青きドナウ」ときてアンコールは勿論「ラデツキー行進曲」。6月には大阪フィルを指揮するという期待の若手・大井剛史のリードで場内は大波小波の拍手、さながらウィーンフィル・ニューイヤーコンサートと化しました。
「ああぁ楽しかった」と思わず口にした同好会会員の声に代表される新年初の例会でした。
(世話人:出野徹之)