今年度から、シンフォニー定期演奏会が金曜日・土曜日の2日間になった日本センチュリー交響楽団。4月11日土曜日午後の演奏会を聴きました。
創立200回目の記念コンサートという事で、和田薫が作曲した「祝響」の世界初演で演奏会がスタート。金管楽器だけで高らかにファンファーレが演奏され“センチュリー新世紀”の幕開けを告げました。
人気のピアニスト小山実稚恵の弾く、シューマンのピアノ協奏曲は勿論素晴らしかったのですが、アンコールに応えたトロイメライは絶品。とてもポピュラーなこの曲が名人上手の手にかかると、こんなに胸に響くのかと客席から津波のような拍手が湧き起こりました。
センチュリーのメンバーによると全曲演奏するのは初めてという、マーラーの「大地の歌」。それでなくても余り聴く機会がないので、ロビーで「マーラーを聴きに来た」と話しているお客さんも大勢いました。
李白や孟浩然の原詩を歌詞にしているとの事ですが、ヨーロッパで再創作されたり再翻訳されたりと、ややこしい経過を経ているようです。ともあれ日本を代表するテノール福井敬、バリトンの与那城敬、オーケストラが淡々と、しかし力強く中国(?)風の世界を紡ぎ出してくれました。「成程これが“大地の歌”か」という結構、分厚い感動が残ったのは私だけではなかったかも知れません。
(世話人:出野)