平成26年1月21日(火)午前11時~国立文楽劇場
「文楽」は今、正念場を迎えている。新春公演の観客が3万人を下回れば大阪市の補助金が減額される。たとえ焼け石に水であろうと、関西人の、否、関西の民放で仕事をした者の意地を見せなければ、と、関西民放クラブが中心となって呼びかけ、急きょ鑑賞会をすることになった。
西村会長の発案からわずか10日ほどの間に28人の賛同を頂いた。今回は準備期間が短く声かけは2人の世話人の手が届く範囲に限られたが、それでも予想を超える人が集まった。補助金問題の関心の高さを改めて知るとともに、世話人としてみなさんの厚意に謝意を表したいと思う。
今回は、太夫の息遣いや三味線のバチさばきが間近に見える「床」から至近距離での観劇。幕開けは、初春らしく紅い着物の禿が二人、羽根つきや鞠つきに興じる「二人禿」。そして「源平布引滝」(九郎助住家の段)。梅川・忠兵衛で知られる「傾城恋飛脚」(新口村の段)を楽しんだ。
太夫、三味線、人形が渾然一体となって現出される文楽の世界には、不思議なリアリティがあり、登場人物の心情が時空を超えて見る者の胸に迫る。
大阪で生まれた「文楽」。まだ、見たことのない方は、思い切って劇場に足をお運びいただきたい。なぜ「文楽」を守らなければならないかが、お分かりいただけると思う。
文楽劇場は今年、開場30周年。関西民放クラブ「落語(上方芸能)を楽しむ会」では、昨年同様、鑑賞会を計画中です。その節にも、ぜひご参加を。