「女道楽」をご存知でしょうか、女が一人、三味線をもって高座に上がり端唄など唄いながら漫談で笑わせる芸です。
今回の例会は「女道楽」の内海英華が、平成24年度文化庁芸術祭大賞を受賞したのを機に、繁昌亭が企画した「受賞記念ウイーク」を楽しみました。
いつも通り前座から始まった落語の中トリは笑福亭松枝、「花筏」で客席を笑わせたところで仲入り。
仲入り後、幕が開くと緋毛氈に艶やかなきもの姿の内海を中心に、桂春雨、笑福亭松枝、桂米團治、林家染雀が並び、前代未聞の「口上」です。
「女道楽」は寄席では色物の扱いですから異例のことです。しかし、口上を述べるのが落語家ですから「内海は魔性の女」だとか「手練手管に長けている」だとか、芸とは関係のないことばかり、内海は頭を下げながら笑いをこらえるのに必死、会場も大爆笑!
で、肝心の内海の芸はといえば、端唄、「奴さん」ではじめ、「伊勢音頭」、「どんどん節」で笑わせ、粋な都々逸できれいに締めました。そして、おまけに七代目市川團十郎に因んだ踊り「こうもり」も披露してくれました。
トリは、桂春雨の「稽古屋」。ご存じ「はめもの」が効果的な音曲噺です。もちろん三味線は内海英華、舞台そでからしっかりトリに加わる演出に拍手!です。
(山口志郎)