昨年から、夜の公演等を「番外企画」として取り上げていますが、今年最初の番外企画は、節分の夜の「大阪の神さん仏さん落語会」です。
僧侶、大学教授、ニュース番組・アンカー(関西テレビ)のコメンテイターと八面六臂の活躍をする釈撤宗さん、大阪大学招聘教授の天満宮の高島幸次さん共著の「大阪の神さん仏さん」を基に生まれた落語と学者のコラボ企画です。
もちろん落語の演目も「野ざらし(骨つり)」(笑福亭喬若)、「初天神」(笑福亭三喬)、「お文さん」(笑福亭松喬)と、神さん、仏さんに因んだ噺。
なかでも「お文さん」は、あまり面白くないと多くの噺家が敬遠する演目だそうですが、松喬さんにかかれば、まるで十八番のように会場を何度も笑わせる大変面白い噺になっていました。
釈さんと高島さんの対談もユニークで、大阪気質(文化)の基層を成すのは浄土真宗で、落語のルーツは仏教の説教であるとか、天満宮が芸能や庶民文化の発展に大きく関わっていたなど、目から鱗の連続でした。 (山口 記)