【散策】第180回「新緑の奈良、名園と再建なった興福寺中金堂散策」

 

関西民放クラブ 散策同好会  5月例会の報告

 

 令和初めての例会、「新緑の奈良、名園と再建なった興福寺中金堂散策」を5月9日(木)行いました。参加者は19名。午前10時、集合場所の近鉄奈良駅から徒歩で、東大寺南大門の手前にある日本庭園、依水園に向かいました。

 10連休のGWが明けた奈良公園。外国人観光客と修学旅行生、そして煎餅を求める鹿の姿が目立ちます。その間を縫うように10分余り歩いて到着した「依水園」は、「近くをよく通るが、入ったのは初めて」という会員が多い隠れた名所。

 江戸前期にできた前園、そこに継ぎ足すように明治期に造られた後園。いずれもお茶を趣味とする豪商が残したもの。若草山、三笠山を借景に、ツツジやカキツバタなど、季節の花を楽しむこともでき、カメラ好きの会員にとっては被写体がたっぷり。

 庭園を巡ったあとは、併設の寧楽美術館へ。明治の経済人、関家から依水園を買い取った海運業の中村家が、第二次大戦の神戸大空襲を逃れた美術工芸品二千数百点を所蔵し、昭和33年から公開しています。開催中の企画展「四季おりおり」を鑑賞した後、隣接する「吉城園」(奈良県所有)の広い庭園を駆け足で見て、約1時間の名園鑑賞を終えました。

 午前11時半に予約した昼食会場「旬菜ひより」は、ならまちの中。大和野菜を素材にした5種の前菜セットから始まり、岩魚の焼き物、トマトの天ぷらなどが次々に運ばれ、最後はわらび餅で締めくくり。「美味しいね」の声が各所から聞こえてきて、男性店主も嬉しそうでした。これで税込み2200円、お得感がありました。

 その後、向かったのは明治42年創業の名門、奈良ホテル。旧大乗院庭園を玄関前から眺めたあと、ホテルに入り、お茶など優雅な時を過ごし、最後の見学場所、興福寺の中金堂に向かいました。江戸中期に火災で焼失した中金堂は昨年秋に300年ぶりに再建。新たに金箔を塗り直した釈迦如来像を中心に、国宝、重文の仏像が、真新しい建物に収まっていました。

 こうして午後2時過ぎに、例会は無事終了、その後、思い思いに散策し、新緑の奈良公園を十分満喫した1日でした。

(文責  田仲 和彦)

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