関西民放クラブ 秋季懇親会 講演 上方落語協会会長 笑副亭仁智さん

Posted by on 2018年11月25日

上方落語協会会長 笑副亭仁智さん

 

(出囃子とともに仁智さんが登場し、高座にすわる)

 私もこの世界に入って45年程になります。今年6月から上方落語協会の会長になり、前任の桂文枝さんの後をつぐことになりました。文枝さんは8期15年務められ、繁昌亭もつくり盤石に近い体制を残されました。これは選挙があるんですが、私に票が集まりそうですと弟子が言いますので、「他にふさわしい人がおるやろ、鶴瓶さんとか」と言いますと弟子が「あの人忙しいですから」「どういう意味や?」。私の場合は6月いきなり大地震があり、初めて繁昌亭を休館、7月には大雨で楽屋が浸水9月には台風で休館など大変なことが続きました。これは前会長のたたりちゃうかと思ったりしたものです。

 今年はいろいろなスポーツ協会の不祥事が続きましたが、犯罪を立証するより無罪を立証するほうが難しいらしいです。私もぬれぎぬを着せられた経験があります。この前も地下一階からエレベータに乗った時、入れ替わりに60なかばのおっさんが出てこられて、バズーカのようなおならを残していきました。1階につくと綺麗な女の人が乗ってきまして、私の方を見て「何するねん」とにらみますが何も言えません。しばらくしてエレベータが言うてくれました。

「チーン、ゴカイです」。

 私は昔近鉄バッファローズのファンで、野球が好きでよく見ました。甲子園の応援も昔と今では違いますね。昔は応援合戦で阪神ファンが「江川の耳はろばの耳」と言いますと、巨人ファンが「あ、聞こえません」。巨人ファンが「岡田の鼻はブタの鼻」と言いますと、阪神ファンが「あ、その通り」。阪神が終盤で負けている時に酔ったファンがベンチに向かって「川藤を出せ、川藤」とヤジった後、監督が出てきて「代打川藤」、「ほんまに出してどうすんねん」。(笑)

 スポーツ中継では、各放送局でテーマミュージックが違うんですね。NHKは「♪チャンチャチャーン チャチャチャ チャンチャチャーン チャチャチャ・・・」中継は西田アナで川上哲治さんの解説。川上さんは何も言いませんね。YTVは昭和28年に初めて巨人阪神戦のテレビ中継をしたそうですが、野球でもプロレスでもゴルフでも同じテーマ曲「♪ジャーンジャ ジャーンジャ ジャンジャジャンジャジャン・・・」。野球中継は良くみていたんですが、生中継が時間切れで終わる時、東京のアナウンサーは関西と違って冷たいですね。「9回おもてツーアウト満塁、バッターは桧山さようなら」。KTVは「♪チャー チャンチャチャチャ・・・」。初めてワイドのプロ野球ニュースを作られたと思いますが、佐々木信也さん。ABCは「♪チャカチャンチャン チャカチャンチャン チャカチャンチャンチャンチャン・・・」。 夜の「阪神近鉄情報」をよく見ました。2分の番組なんですが、そのうち1分50秒が阪神、残り10秒が近鉄の情報です。また阪神戦の時のアナウンサーの声が特に大きいですね。「鳥谷打った、大きい、入るか?入ればホームラン」当たり前や。名セリフの植草アナ「甲子園は清原のためにあるのか」。絶叫型の安部アナ、アドリブが多いんです。ノーアウト一塁で、打者がコンと打ったらピッチャー前、「ゲッツー!これはロケットに乗っても帰れない」。門田500号ホームランの時、実況席の横におったんですが、アナウンサーが入れ込でまして「カーン、打った大きい、高く舞い上がった、しかし距離が50m足りない」、ショ-トフライですわ。MBS「♪チャンチャカチャカチャカ チャンチャカチャカチャカ・・・」。三宅アナは男っぽい放送で大好きでした。ラジオでは視聴者にわかるように実況するのでしょうが、彼は観客の立場でしゃべりはるんですね。打者がカーンとうつと「あー?!」コーンと打つと「どーだ?」

 高校野球では今年、大阪桐蔭が春夏連覇しました。野球部が強かったら全国に学校の名が有名になりますから、野球部は勉強せんでええという学校が出てきたりすると、これではいかんと高野連が考えまして、やはり勉強と野球を両立させようとルールが変わります。例えばヒットで一塁に出ますと、バックスクリーンに課目が表示されて、その問題を塁審が出します。正解すればセーフ、間違ったらアウト。たとえホームランでもそうです。打者がホームベースに戻ってきたところで、バックスクリーンに「数学」と表示が出ました。本塁塁審が「ルート2の答えは?」と問題を出します。「国道2号線」「アウト!」。これがプロ野球にも採用されまして、ジャイアンツは金にものを言わせて頭の良い選手を集めて正解率をあげようとし、タイガースは安うてヒットを打ちそうな選手を集めて、いよいよ同率首位で迎えた最終戦・・・

(以下「スタディ ベースボール」と題した新作落語が演じられました。)

 (岩渕)