定例懇話会 Challenge The Symphony Hall

Posted by on 2017年12月18日

 

Challenge The Symphony Hall

喜多弘悦 氏

 

ザ・シンフォニーホール取締役・音楽総監督 
滋慶学園グループ音楽系副校長
打楽器奏者・ジュリアード音楽院卒

 

4年前に、滋慶学園グループが朝日放送からシンフォニーホールの経営を引き継ぎました。
現在、日本全国のホールは、97%が公営、残り3%が私営です。ほとんどのホールが赤字経営で公的資金の補助を受けています。
シンフォニーホールの経営を引き受けるにあたり、滋慶学園貴舟会長からは、現在のホールをあるがままに生かし、社会情勢に左右されない、自分の足で運営できるような中長期計画をとの命を受け計画書を提出しました。
気に入られたのか経営に携わり現在に至ります。

公益法人として営利を目的とせず運営管理をし、社会貢献をそして人材育成に役立てる。
そのため、運営会社(社長田仲豊徳)と、振興財団(理事長近藤雅臣)を設立。

人材育成として
① 演奏家を育てる。
② 舞台・照明等の裏方を育てる。
ホール経営とは、一般にチケット販売収入が第一。今までは、演奏家が、チケット販売をしていたが、これはおかしい。原価管理の考えが入っていない。
基本はまず仕入れ原価があり、販売して諸経費を差し引いた残りが利益です。今までの売り方は、赤字が出れば、補填する(親会社、自治体)。これでは、独り立ちできません。そこに工夫が必要です。

改修工事について
残響2秒のホールは手を入れない。
法律が改訂され、対応が必要な安全管理について、携帯電話対策として妨害電波または、シールドなどで外部電波を防ぐ方式がとられています。しかし、昨今の危機管理としてはまずい。緊急地震情報が届かない。そこで、当ホールでは独自に、震度五以上の地震時には、20秒前に館内全域に非常ベルを鳴らします。そして、演奏を止め、全員避難をさせる火報システムを導入しました。
ただし、楽器保護のため舞台上のみスプリンクラーは手動です。内装等、築30年でくたびれていましたので高齢者対応、障がい者対応目線で諸設備を更新しました。

マネジメントの考え方
若い人の考えを生かし意見を取り入れ、管理者はハンコを押し、責任をとる。
問題は必ず起こる。それを解決することが出来ないのが問題である。
仕事につき一年を通じて考えてみると、忙しい時と比較的暇な時が、あろうかと思います。そこで時間に余裕があるときに、新しいアイデア・イノベーションを考える。忙しい時には、精一杯仕事をこなす。

人材について
自前スタッフでまかないアウトソーシングはしない。
それをすると、マインドが消えていく。スタッフの実務研修を行う。
お客様から「小さな有難う」を集める。レセプショニストの教育。
相手にお願いされる前に一歩前へ、問題を探す。
「お手伝いしましょうか」の声掛けが大切です。
3年も続けると、皆様からの反応が返ってくる。このことがスタッフの励みになる。

ホール専属の楽団の創設
大阪にある四つの交響楽団のソリストからなるメンバーらが主になって、弦楽四重奏楽団他二つの弦楽楽団を創設しました。
全部を合わせると20人の合奏団ができます。
練習はシンフォニーホールを使用し、納得いくまで演奏の完成度を高める。
これはぜいたくと思われるでしょうが、充分な練習で完成度の高い演奏を皆様にお聞かせできる喜びを演奏家がもてる。

未来のファンを育てる
子供のコンサートでは、小曲ばかりの演奏を、何回もインターバルをとり、子供の興味をそらせない工夫、おとなしく聞かせるための工夫を考えて演奏会をひらいています。

35周年記念事業について
もりだくさんの演奏会を企画しました。
皆様ご来場いただき演奏をお楽しみください。

(YTV 永元嘉一)