クラシック同好会 6月例会報告

 

 アラン・ブリバエフ(日本センチュリー交響楽団首席客演指揮者)、待望のロシア音楽シリーズの第一弾をザ・シンフォニーホールで聴きました。

 一曲目は、ムソルグスキー作曲、歌劇「ホヴァーンシチナ」より前奏曲。専門的な話をプログラムから引きますと、制作途中でムソルグスキーが亡くなり、二人の作曲家が編曲・補筆しているのだそうです。定期演奏会初日・金曜日はリムスキー=コルサコフが編曲した曲、我々が聴いたのは二日目ショスタコーヴィチ版でした。好きな方には聴き比べてもらおうという趣向。こういう成り立ちの曲があるのも面白いですね。

 二曲目、ショスタコーヴィチのヴァイオリン協奏曲を弾いたヨシフ・イワノフは未来のトップヴァイオリニストの一人と言われているイケメン。良く響くヴァイオリンだとプロフィルを見ると、ストラディヴァリウス・ソサエティから貸与されている“Lady Tannat(1699年製)”という楽器だそうです。期待の程が解ります。

 帰りのバスで出会ったセンチュリーきっての理論家(ヴァイオリン)に聞くと、この曲にはソ連当時の政治的な圧迫への抵抗が色々と盛られているとの事で、憂うつな感じで始まった第一楽章は正にそんな感じでした。途中の長いソロの部分は「これぞ」という演奏で客席をぐいぐい彼の世界に誘ってくれました。

 ムソルグスキーの「展覧会の絵」は高校時代、音楽の時間でも聴いた記憶のあるお馴染みの曲です。出だし、トランペットのソロが“小気味よく”、高らかに、というと思い出される方も多いのでは?首席の小曲俊之は、鮮やかに明るい音色を聴かせてくれましたが、演奏者にとっては結構、緊張する曲でもあるようです。クラシックの演奏会には珍しく、アルト・サキソフォンが印象的な旋律を聴かせましたが、その他、普段あまり出番の多くないテューバを始め、コントラ・ファゴット、バス・クラリネット、コーラングレなど低音の木管楽器も勢揃いし独特の音色を聴かせてくれたコンサートでもありました。

 次回は7月14日、大阪フィルハーモニー交響楽団のご協力で、「マチネ・シンフォニー ギターの魅力」を聴きます。

                     (世話人:出野)

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